この記事でわかること
- 「SIMカードのロック」によるスマホが使えなくなる人が続出
- スマホ初心者の方は安易に操作してはいけません
- 用語の説明、操作不能になった場合の対処症についてまとめました
「テレビでSIMカードのロック?をしないといけないって言うのでやったらスマホが使えなくなりました…」
先日、このような相談が弊社のもとへ入りました。
何事かと思ったら6月27日に日本テレビで放送された「世界一受けたい授業」で、スマホの「SIMカードロック」が取り上げられたようです。
参照:「世界一受けたい授業」の6月27日の番組内容(まとめ記事は29日時点で削除済み)より
はっきりと言いますが、スマホの類いに詳しくない方への情報提供としては非常に不適切だったと思います。
私たちのようにある程度知識がある人であれば、放送を見て「そうだよね」となりますが、おそらく多くの視聴者にとっては「ありがた迷惑な助言」だったことでしょう。
みんな!!!世界一受けたい授業でSIMカードのことやってるけどいじっちゃだめだよ!!!ちゃんと調べてからいじって!!じゃないとSIMロックかかって大変なことになるよ!それで3000円払った私だよ!!!!!
— ⁹ス (@ki_roku_y) June 27, 2020
引用元:Twitter
世界一受けたい授業で、SIMカード自体にロックをかけた方がいいってやってたから、PINロックかけようとしたら、パスワード3回間違えましたってなってスマホ使えなくなった😭
サポートセンターは明日の9時からだし、明日仕事だから電話するにも使えないし最悪だわ💦
— KENBO_RUN (@KENBO_RUN) June 27, 2020
引用元:Twitter
これが現実です。
そして皆さん携帯キャリアへ泣きつくことになり、無駄な時間とお金を払わなくてはいけなくなるのです。
テレビが好き勝手言って尻拭いをするのは、いつもキャリアの方々です。
ただでさえコロナ禍で大変だというのに、サポートセンターやショップの方を思うと気の毒でしょうがありません。
本記事では、基本的な用語の解説とSIMカードロックの仕組み、スマホが使えなくなってしまった場合の対処法についての解説をしています。
ぜひ参考にしてください。
読みたいところからどうぞ
まずは基本的な用語を簡単に解説
まずは基本的な用語の意味を確認しておきましょう。
後ほど詳しく解説をしますので、なんとなくで理解してもらえれば大丈夫です。
基本的な用語
- SIMカード
- SIMカードのロック
- SIMロック
- PINコード
- PINロック
- PUKコード
SIMカード
SIMカードスマホの中に入っているICカード。
カード内にあなたの電話番号が登録(設定)されている。
※SIMカードが入っていないと電話をかけることができない。
SIMカードのロック
SIMカードの不正利用を防ぐために、SIMカード自体にロックをかけること。
ロックをかけると、スマホを再起動する度に暗証番号(PINコード)の入力が求められる。
SIMカードのロックはスマホから行います。
SIMロックとは違う?
「SIMロック」というのは、スマホ(端末)本体にかけられたロックのことです。
SIMロックがかかった状態ですと、他のSIMカードを入れても電話やSMSができません。
「SIMロック」と「SIMカードのロック」、似ているようで全くの別物ですのでお気をつけください。
PINコード
暗証番号とほぼ同意義。また、それらの総称。
様々なシーンで使います。
今回の場合は、SIMカードのロックを解除するための暗証番号のこと。
初期設定ではキャリアによって決まった4桁の数字になっています。
PINロック
PINロックPINコードの入力を3回間違えて、SIMカードのロックが解除できなくなった状態のこと。
PUKコード
PUKコードPINロックを解除するための8桁の暗証番号(パスワード)のこと。
基本的にはキャリアに問い合わせないとわかりませんが、auやau系のMVNOの場合はSIMカードの台紙に記載されています。
似たような言葉がたくさん出てくるので頭がこんがらがりそうですが、一度整理しておきましょう。
スマホの画面ロックとSIMカードのロックとの違い
おそらく「SIMカードのロック?スマホの画面ロックじゃなくて?」と思われた方もいることでしょう。
まずはこの違いから簡単に解説しておきます。
スマホの画面ロックとは?
スマホの画面ロックを設定している方は多いと思います。
この画面ロックを解除するには、4桁~8桁の暗証番号(これをPINないしはパスコードとも言う)、指紋認証や顔認証、パターンを使います。
画面ロックを解除しないと電話やLINE、インターネットなどができません。
つまり、スマホをスマホとして使えないというわけです。
一部の機種では、画面ロックを解除しなくてもカメラや緊急通報はできるようになっています。
SIMカードのロックとは
画面ロックとよく似ているが違う
SIMカードのロックをしている人はほとんどいないでしょう。
SIMカードのロックを設定すると、スマホの電源を入れる際に「事前に設定しておいたPINコードの入力」を求められます。
この「PINコード」とは画面ロックを解除するための暗証番号とは別物です。
※一緒にしている人もいます。
PINコードを入力しないと先に進めないため、スマホを使うことができません。
「暗証番号(PINコード)がわからないとスマホが使えない」という点は同じですね。
もう少し詳しく見ていきましょう。

なぜSIMカードにロックをかけるべきなのか
先程の説明を聞くと「画面ロックで十分じゃない?」と思った方も多いと思います。
なぜ「SIMカードにロックをかけるべき」という話が出たのかを解説します。
スマホの画面ロックを設定した場合
繰り返しますが、スマホの画面ロックを設定しておけば誰かにスマホを使われる心配がありません。
万が一スマホを落として失くして悪意のある方に拾われた場合でも、画面ロックがかかっているので「なんだ使えないじゃん」となります。
ですが、知識のある方であれば話は別です。
この「画面ロックがかかったスマホ」から「SIMカードだけ」を取り出し、別のスマホに入れます。
そうすると、あなたの電話番号を使って電話をかけたり、SMSを送ることができるようになるのです。
なぜならSIMカードにはあなたの電話番号が登録されているから。
また、一部の人はSIMカード内に「電話帳」も登録している可能性があります。
つまり、SIMカードからあなたの友人・知人の電話番号などの情報を抜き取ることもできるのです。
SIMカードにロックをかけた場合
ではSIMカードにロックをかけた場合はどうでしょうか。
先ほどと同じように拾ったスマホからSIMカードだけを取り出し、別のスマホに入れたとします。
ですが、そのスマホの電源を入れた際に「PINコードの入力」が求められるのです。
もちろんPINコードがわからなければ画面を先に進めることができません。
あなたの電話番号を使って電話をかけることも、電話帳の情報を抜き取ることもできない、というわけです。
こういった理由があって、「画面ロックだけではなくSIMカードのロックもかけてセキュリティを高めましょう」というのが、本来「世界一受けたい授業」が言いたかった内容なのだと思われます。
ココに注意
SIMカードのロックをかけていたとしても、画面ロックを設定していなければ、拾われたスマホをそのまま使われてしまいます。
まさに本末転倒ですので、画面ロックは必ず設定しておきましょう。
ただし、SIMカードのロックはかけないほうが良いです。
特にスマホ初心者の方は。
なぜスマホ初心者の方はSIMカードロックをかけるべきではないのか
スマホに詳しい方、自信のある方はSIMカードのロックをかけても大丈夫です。
最悪の場合、自分でなんとかできるから。
ですが、スマホに詳しくない、初心者の方はSIMカードロックをかけるのはやめておきましょう。
高確率でスマホが使えなくなります。
PINコードを3回間違えるとスマホ自体が使えなくなる
SIMカードのロックを解除するためのPINコードですが、3回間違えるとスマホが使えなくなります。
この状態を「PINロック」と言います。
PINロックになってしまった状態(4回目以降)に正しいPINコードを入力してもSIMカードのロックは解除できません。
うっかりPINロックがかかってしまうシチュエーション①
スマホの調子が悪くて再起動したとします。
もしくはアップデートが終わって再起動がかかった場合も同じです。
電源が立ち上がると「PINコードを入力してください」と表示されました。
あなたは、いつもの「画面ロックを解除する番号」と勘違いして暗証番号を入力します。
「失敗しました」と表示されます。
「おかしいな?」と思いつつ、もう一度入力します。
またしても「失敗しました」と表示されます。
「あれ?打ち間違えた?」ともう一度入力します。
もちろん「失敗しました」と表示され「PINロック」がかかってしまうのです。
これはけっこうあるあるだと思います。
うっかりPINロックがかかってしまうシチュエーション②
もう一つのうっかりシチュエーションは、「SIMカードロックを設定しようとして、PINロックがかかってしまう」パターンです。
どういうことかと言うと、初めて「SIMカードロック」を設定しようとすると、次のような画面になります。
ここで求められているのは「すでに設定されているPINコード」です。
「これから設定するPINコード」ではありません。
今回のテレビ放送を見た方が「SIMカードをロックしよう」と設定画面にいきます。
すると上記のような画面になります。
本人はPINコードを設定した記憶なんてないから、ここには「これから設定するPINコードを入れるものだ」と勘違いをします。
その結果、間違ったPINコードを入力することになってしまい、見事SIMカードロックではなく「PINロック」がかかってしまうのです。
SIMカードロックを設定するための「PINコード」はキャリアによって初期設定番号が登録されています。
ドコモでしたら「0000」ですし、auは「1234」、ソフトバンクは「9999」です。
キャリア別PINコードの初期設定
※MVNOは基本的に提供元キャリアと同一ですが、必ずご自身で確認をしてください。
PINロックを解除するためのPUKコードがわからない
ドコモはMy docomoからPUKコードの確認ができる
PINロックを解除するためには「PUKコード」が必要になります。
ですが、スマホ初心者の方ですと「PUKコード?」となるのが関の山です。
そうなると、PINロックは解除できませんし、もちろんSIMカードのロックも解除できません。
スマホは使えないままなのであります。
最悪の場合SIMカード自体が無効になり、再発行するしかなくなる
このとき焦って「自分が思いつく適当な番号」を入力しないでください。
PUKコードは10回間違えると、SIMカードが永久的に無効になります。
一度無効になったSIMカードは、ただのゴミです。
もう一度使えるようにするには、SIMカードの再発行しかありません。
SIMカードの再発行手数料は2,000円~3,000円となっています。
※キャリアによって異なる。
電話がスマホしかない、パソコンがない、近くにショップがない場合
電話がスマホしかない、パソコンを持っていない、家の近くに携帯ショップがない。
こういった場合、かなり厳しいのはお分かりでしょうか。
インターネットで調べることもできなければ、キャリアに相談することもできないのです。
電話もLINEも使えないので、友達に連絡して相談することもできません。
公衆電話もないこの時代、なかなか厳しい状況に追い込まれるかと思います。
PUKコードを確認する方法
PUKコードの確認方法はキャリアによって異なります。
au及びau系のMVNOの場合はSIMカードの台紙に記載されていることが多いです。
ドコモはMy docmoから、ソフトバンクはMyソフトバンクから確認できます。
それ以外のMVNOはサポートセンターに電話をして確認するしかありません。
【代替案】スマホを失くしたら回線停止(利用中断)すればいい
「SIMカードのロックしないと、スマホ失くしたときに心配では?」
いえいえ。
そういった場合は「回線停止(利用中断)」をしてしまえばいいのです。
キャリアへ連絡すれば即時回線停止(利用中断)が可能
「スマホを失くした!」と気づいたら、まずはキャリアへ連絡をして「回線停止(利用中断)」をお願いしましょう。
即時、SIMカードが使えなくなります。
これは「PINロック」でもなければ「PUKコードを10回間違えた状態」でもないので、いつでも利用再開が可能です。
見つかった場合は利用再開が可能
運良くスマホが見つかった場合は、再度キャリアへ連絡をして「利用再開」をお願いしましょう。
これで今まで通りにスマホが使えるようになります。
スマホに詳しい人、自信がある人だけSIMカードにロックをかけよう
ここまでお読みいただいた方なら「確かにこれはスマホ初心者には難しい」と感じていただけたと思います。
もちろん「SIMカードのロック」「PINロック」「PUKコード」という存在自体を知っておくことは大事です。
ですが、知っていることと使えることは別物。
にわか知識で手を出してしまい、泥沼にハマってしまった経験が一つや二つはあるものです。
スマホが生活必需品になった今の時代で、ロックがかかって使えなくなってしまっただなんてことが起きたらたまったものではありません。
「スマホを失くしたら、キャリアへ連絡して利用中断してもらう」
たったこれだけのことを覚えておけば、よほどのことがない限り大丈夫でしょう。
これを機にスマホについて勉強するのも良いことですが、何かあった場合に対処できる状態を確保しておくことを忘れないでくださいね。
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