- 「Wi-Fi 6」対応ルーター3機種の実際の速度を比較
- 一番速かったのは「NEC WX3000HP」でした
- ただし、わざわざ「Wi-Fi 6」対応ルーターを買う価値はないかもしれません
「話題の『Wi-Fi 6』対応ルーター、どれが良いですか?」
「Wi-Fi 6」に対応した無線ルーターが少しずつ発売され始めました。
最新のスマホやノートパソコンであれば「Wi-Fi 6」に対応している機種も多く「どうせなら」とルーターの買い替えを検討している人も多いです。

iPhoneは11以降の製品が「Wi-Fi 6」に対応していますよ。
iPhone SE2やiPad Pro(第4世代)も「Wi-Fi 6」に対応しています。
現状では、ほとんどのメーカーが2種類の「Wi-Fi 6」対応無線ルーターを発売しており、それぞれミドルエンドモデルとハイエンドモデルに分かれています。
ハイエンドモデルの無線ルーターは3万円以上もするので、正直なかなか手が出ないです。
そこで、ちょっと頑張れば手が出せそうなミドルエンドモデルの「Wi-Fi 6」対応無線ルーターを国内メーカーの3機種に絞り、全て実費で購入して速度を比べてみました。


ミドルエンドと言えども、実売価格は1万円以上はする高価な買い物です。
安易に決めずに、しっかりと検討した上で購入してくださいね。
「Wi-Fi 6」対応の無線ルーター<3選>
- エレコム:WRC-X3000GS
- バッファロー:WSR-5400AX6
- NEC:WX3000HP
結論から述べておくと、弊社での検証結果としてはNECの「WX3000HP」がもっとも速度が安定して出ることがわかりました。




ただし、先に言っておきますが、この「WX3000HP」にしろ他の「Wi-Fi 6」対応の無線ルーターにしろ、恩恵を受けるのはスマホやパソコンが「Wi-Fi 6」に対応していることが前提です。
「Wi-Fi 6」に対応している端末は、最新かつ高性能のスマホやパソコンに限ります。
少なくとも2019年以前に発売した端末は何一つとして「Wi-Fi 6」に対応しておりません。
「Wi-Fi 6」に対応していないスマホやパソコンしか持っていないのであれば、わざわざ「Wi-Fi 6」対応の無線ルーターを購入するメリットは「全く」ないのです。
いずれスマホを買い替えて「Wi-Fi 6」に対応予定であれば、先取りしておいても良いとは思います。
むしろ「Wi-Fi 5」(つまり従来の「11ac」)のハイエンドモデルを購入した方が速度が出る可能性が非常に高かったりもします。
価格自体も「Wi-Fi 6」対応無線ルーターより安いです。


というわけで、これから「Wi-Fi 6」対応の無線ルーターを購入しようとしている方は、まずお手持ちの端末が「Wi-Fi 6」に対応しているかどうかから確認しましょう。
「Wi-Fi 6」対応無線ルーターの速度を比較
それぞれのルーターを各時間帯3回ずつ計測して「中央値」の結果にて比較しました。
接続方式は「IPv6(IPoE+IPv4 over IPv6)」にて行っております。
回線はドコモ光・マンションタイプです。
朝10時台の速度を比較


「Wi-Fi 6」対応無線ルーターの速度比較
2020年12月24日 10時台 | エレコム 「WRC-X3000GS」 | バッファロー 「WSR-5400AX6」 | NEC 「WX3000HP」 |
---|---|---|---|
下り速度 | 84.4Mbps | 92.4Mbps | 101Mbps |
上り速度 | 212Mbps | 190Mbps | 190Mbps |
※iPhone11Proに接続して測定。
お昼12時台の速度を比較


「Wi-Fi 6」対応無線ルーターの速度比較
2020年12月24日 12時台 | エレコム 「WRC-X3000GS」 | バッファロー 「WSR-5400AX6」 | NEC 「WX3000HP」 |
---|---|---|---|
下り速度 | 83.1Mbps | 93.1Mbps | 128Mbps |
上り速度 | 189Mbps | 212Mbps | 150Mbps |
※iPhone11Proに接続して測定。
夕方17時台の速度を比較


「Wi-Fi 6」対応無線ルーターの速度比較
2020年12月23日 17時台 | エレコム 「WRC-X3000GS」 | バッファロー 「WSR-5400AX6」 | NEC 「WX3000HP」 |
---|---|---|---|
下り速度 | 86.0Mbps | 94.8Mbps | 105Mbps |
上り速度 | 201Mbps | 152Mbps | 179Mbps |
※iPhone11Proに接続して測定。
夜22時台の速度を比較


「Wi-Fi 6」対応無線ルーターの速度比較
2020年12月25日 22時台 | エレコム 「WRC-X3000GS」 | バッファロー 「WSR-5400AX6」 | NEC 「WX3000HP」 |
---|---|---|---|
下り速度 | 72.3Mbps | 89.6Mbps | 104Mbps |
上り速度 | 327Mbps | 88.5Mbps | 245Mbps |
※iPhone11Proに接続して測定。
深夜0時台の速度を比較


「Wi-Fi 6」対応無線ルーターの速度比較
2020年12月26日 0時台 | エレコム 「WRC-X3000GS」 | バッファロー 「WSR-5400AX6」 | NEC 「WX3000HP」 |
---|---|---|---|
下り速度 | 110Mbps | 116Mbps | 128Mbps |
上り速度 | 156Mbps | 88.9Mbps | 141Mbps |
※iPhone11Proに接続して測定。
【結論】NEC「WX3000HP」が最も安定して高速だった


一日を通してもっとも速かったのはNEC「WX3000HP」でした。
3機種の中で唯一、下りも上りも常時「100Mbps」以上を計測しています。
あくまでも弊社での検証結果とはなりますが、ぜひ参考にしてみてください。


「Wi-Fi 6」対応無線ルーターのスペックを比較


今回検証に使用した3機種のスペックを比較しておきましょう。
スペック的には、そこまで大きな違いはありません。
「Wi-Fi 6」対応無線ルーターのスペック比較表
「Wi-Fi 6」対応無線ルーターのスペック比較表
機種名 | WRC-X3000GS | WSR-5400AX6 | WX3000HP |
メーカー名 | エレコム | バッファロー | NEC |
最大速度(5GHz) | 2402Mbps | 4803Mbps | 2402Mbps |
最大速度(2.4GHz) | 574Mbps | 573Mbps | 574Mbps |
最大速度(有線) | 1000Mbps | 1000Mbps | 1000Mbps |
アンテナ数 | 2×2(5GHz) 2×2(2.4GHz) | 4×4(5GHz) 2×2(2.4GHz) | 2×2(5GHz) 2×2(2.4GHz) |
Wi-Fi規格 | 11ax/ac/n/a/g/b | 11ax/ac/n/a/g/b | 11ax/ac/n/a/g/b |
ビームフォーミング (集中的に電波を送る) | ◯ | ◯ | ◯ |
MUーMIMO (複数台同時通信) | ✕ | ◯ | ◯ |
最大速度(理論値)はバッファロー「WSR-5400AX6」がリード


理論上の最大速度としては、バッファローの「WSR-5400AX6」が一歩リードです。
搭載しているアンテナ数が多いため、5GHz帯を使用する際は他社のルーターより「設計上」速度が出やすくなっています。
対応しているWi-Fi規格は同じ
いずれのルーターも全て「11ax/ac/n/a/g/b」という規格に対応しています。
いわゆる「Wi-Fi 6」というのは「11ax」です。
最新のスマホやパソコンにしか対応していないので気をつけましょう。
従来の端末は「11ac」にしか対応していないことが多く、スペックの低いスマホなどでは「11n」にしか対応していないことも少なくありません。
「Wi-Fi 6」非対応の端末だと速度はどうなる?
「Wi-Fi 6」に対応していない端末の場合、理論上は「Wi-Fi 6」対応端末より遅くなります。
特に、エレコムとNECのルーターに関しては「アンテナが2本」しかないので、「11ax」が使えないとなると「11ac」で接続せざるを得ません。
必然的に、ルーターとしての最大速度(5GHz)が「867Mbps」となってしまいます。
とはいえ、同時に複数台の接続がなければそこまで遅くなるとは考えにくいのが現状です。
3機種ともビームフォーミングに対応


画像出典:https://www.buffalo.jp/product/detail/wsr-5400ax6-mb.html
ルーターの電波を端末めがけて集中的に飛ばすことで、より速度が出やすくなる機能「ビームフォーミング」に関しては、3機種全てに搭載されています。
端末側もビームフォーミングに対応していないと効果はありません。
エレコム「WRC-X3000GS」はMU-MIMOに非対応


画像出典:https://www.aterm.jp/product/atermstation/product/warpstar/wx3000hp/
複数の端末に同時で通信可能な「MU-MIMO」という機能が、エレコム「WRC-X3000GS」だけ搭載されていません。
家族で4台スマホを持っているなど、複数台同時に通信するような家庭であれば、この「MU-MIMO」機能は搭載されていたほうがいいでしょう。
NEC独自機能「IPv6 High Speed」


画像出典:https://www.aterm.jp/product/atermstation/special/ipv6/ipv6_lecture.html
NEC「WX3000HP」には、独自機能として「IPv6 High Speed」が搭載されています。
IPv6での接続方式を使用している場合において、通常よりもさらに速度が出やすくなる機能です。
具体的な数値は公表されておりませんが、およそ2~3倍ほどの速度が出る※ようになったとのこと。
※あくまでもNECの調査に基づく。
参考:IPv6通信ならAtermで決まり!ネット高速化 虎の巻 | ルータ活用コンテンツ | AtermStation
【結論】額面上のスペックは「ほぼ」互角
最初の比較表を見て分かる通り、スペック自体は額面上「ほぼ」互角となっています。
しいて言うと、バッファロー「WSR-5400AX6」は理論値としては最大4803Mbpsとなっているので最速となります。
エレコム「WRC-X3000GS」は「MU-MIMO」に対応していないので、複数台を接続する際に速度が落ちやすいです。
その他の部分に関しては全く同じですので、目立った違いはないと言えるのではないでしょうか。
【まとめ】コスパと実績で選べば「NEC WX3000HP」


弊社の検証結果としてはNECの「WX3000HP」が最も安定した速度が出ていました。
その上で、価格も一番安い。
となると、現段階で購入するべき「Wi-Fi 6」対応の無線ルーターはNEC「WX3000HP」で決まりですかね。
本文ではあえて触れませんでしたが、実はNECのルーターはサポートも良いのです。
「Aterm(エーターム)」というブランド名で販売しているだけあって、サポートも「Aterm専用窓口」が用意されています。
何度か掛けたことがありますが、いずれも丁寧でわかりやすい対応をしてもらえました。
- 電話番号:0570-550777
- 対応時間:平日9時~18時、土曜9時~17時、日曜10時~17時(年末年始を除く)
- 問い合わせについて:https://www.aterm.jp/support/inquiry/
速度、価格、サポート。
「Wi-Fi 6」対応の無線ルーターをお探しであれば、いずれの面でも優れているNEC「WX3000HP」で間違いないでしょう。
NEC「WX3000HP」


エレコム「WRC-X3000GS」


バッファロー「WSR-5400AX6」


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