- WiMAX(ポケット型Wi-Fi)用パラボラアンテナの作り方
- 実際にどれだけ速度が向上したのか
「パラボラアンテナでWiMAXが速くなるって本当ですか?」
効果は絶大です。
と言いたいところですが、弊社で実験してみたところ「わずかながら向上」にとどまりました。
ただし、大幅に速度が速くなっている方もいるようなので、やってみる価値は十分あると思いますよ。
※理論上WiMAX以外のポケット型Wi-Fiも同様の効果が得られます。
少しでも回線を安定させる為に自作パラボラアンテナ📡用意した!
光回線の工事22日だからそれまでこれで耐える。でも、割と効果あったのか、通信速度計測したら割と安定してた! pic.twitter.com/RSDoxJ0mpU— るか (@shizukyurina) 2019年6月9日
パラボラアンテナで速度が速くなる理屈
パラボナアンテナとは、電波を一点に集中させエネルギーを増幅させる役割を持っています。
マンションのベランダにスカパーのアンテナが取り付けられているのを見たことはないでしょうか?
スカパーなどの衛星放送は、地球のはるか上空から電波が発せられているので、パラボナアンテナを使わないと受信ができないのです。
「電波を一点に集中させエネルギーを増幅させる」ことでWiMAXの受信感度を上げ、その結果ルーターから発信される電波が強くなりネットの速度が向上する、ということです。
WiMAXのルーターからWi-Fiが飛ぶ理由
そもそもWiMAXは「基地局(アンテナ)からの電波を拾った上で、自らWi-Fiを飛ばす」という仕組みになっています。
WiMAXなどのポケット型Wi-Fiは、基地局からの電波をしっかり受信することを前提としたサービスということになります。
電波を受信できなければ、何の意味もないただの文鎮です。
逆を言えば、受信感度が上がればWi-Fiが強くなる、ということになるわけです。
パラボナアンテナの原理を使って基地局からの受信感度を上げる
パラボラアンテナを使うとなぜ受信感度が上がるのかは、上記の図のとおりです。
理論上は何倍にも膨れ上がることになります。
ただ、使うアンテナの質や設置する場所によっても大きく変わるので、絶対に速度が上がるというわけではありません。
パラボラアンテナの作り方・設置方法
パラボラアンテナの仕組みを理解したら、実際に作ってみましょう。
今回はWiMAXルーター用の簡易的なパラボラアンテナに挑戦しました。材料費は税込み216円です。
百均で金属製ボウルとコップ立てを購入
パラボラアンテナの作成に使用したのは、金属製のボウルとコップ立てだけ。
まな板立てでも良かったのですが、ちょうどいいものが売っていなかったのでコップ立てで代用しました。
倒れないように適当に設置
コップ立てを横向きにし、間にボウルを挟み込む。
これだけでパラボラアンテナは完成です。あとはWiMAXのルーターを適当な場所に置くだけ。テープや補強は一切必要ありません。
地面から少し浮かせたほうがいい
ただ一点工夫をするのであれば、パラボラアンテナ自体を少し地面から高い位置に置いた方がより電波を受信しやすくなるでしょう。
ベランダの柵が塀になっているようであれば、可能な限り高い位置に設置したほうがいいです。
より電波を受信しやすくなります。
速度比較
それでは早速速度を測ってっましょう。計測環境はこちらです。
- WiMAX:WX05(レンタルWiMAX)
- スマホ:iPhoneX
- 時間:夜9時前後(1番遅くなりやすい時間帯)
※せっかくなので試用でレンタルしていたWiMAXを使ってみました。
パラボラアンテナ「なし」の速度
まずルーターを窓際に置いてパラボラアンテナなしで速度を測ります。
全部で5回試した結果がこちらです。
パラボラアンテナ「なし」で速度計測
下り | 上り | Ping値 | |
---|---|---|---|
1回目 | 10.5Mbps | 3.79Mbps | 58ms |
2回目 | 6.87Mbps | 2.51Mbps | 88ms |
3回目 | 5.06Mbps | 2.30Mbps | 66ms |
4回目 | 5.90Mbps | 2.44Mbps | 63ms |
5回目 | 6.46Mbps | 2.11Mbps | 63ms |
平均 | 6.95Mbps | 2.63Mbps | 67ms |
- 下り:6.95Mbps
- 上り:3.63Mbps
- Ping値:67ms
1番込み合う時間帯でしたので、悪くはない速度だと思います。
YouTubeなどもズムーズに見れていました。
パラボラアンテナ「あり」の速度
続いてパラボラアンテナを設置した状態の速度結果です。
同じく5回計測しました。
パラボラアンテナ「あり」で速度計測
下り | 上り | Ping値 | |
---|---|---|---|
1回目 | 7.68Mbps | 2.82Mbps | 64ms |
2回目 | 10.2Mbps | 5.26Mbps | 48ms |
3回目 | 6.31Mbps | 5.76Mbps | 84ms |
4回目 | 6.45Mbps | 4.93Mbps | 69ms |
5回目 | 6.51Mbps | 3.62Mbps | 75ms |
平均 | 7.43Mbps | 4.48Mbps | 68ms |
- 下り:7.43Mbps
- 上り:4.48Mbps
- Ping値:68ms
パラボラアンテナの有無で平均値を比較してみましょう。
パラボラアンテナ有無の速度比較
なし | あり | 対比 | |
---|---|---|---|
下り | 6.95Mbps | 7.43Mbps | 106%UP |
上り | 3.63Mbps | 4.48Mbps | 123%UP |
ms | 67ms | 68ms | 98%DOWN |
Ping値だけは微妙に落ちてしまいましたが、下りも上りも速度の向上が見られました。
この結果、パラボラアンテナの設置は速度の向上に効果がある、としても良いのではないでしょうか。
【結論】パラボラアンテナで速度は向上する
パラボラアンテナを設置することでWiMAXの速度が向上します。
ですが、もちろん家によりますし、エリアにもよるでしょう。
もっと効果がある人もいれば、全く効果がない人もいると思います。
ただし、わずか216円で作ることができるので、試す価値は大いにあると言えるでしょう。
WiMAXの速度に悩んでいる方は、ぜひ挑戦してみてください。
それでもダメな方はこちらの記事を参考の上、他の方法で速度を改善してみましょう。
「モバイルWiFiルーターを使ったインターネット(Wi-Fi)サービス」の総称として「ポケットWiFi」という言葉を使っている人が多いですが、ポケットWiFi(Pocket WiFi)とは「ソフトバンク社が提供するモバイルWiFiルーター」の登録商標(商品名)になります。
そのため当サイトでは、いわゆる「ポケットWiFi」のことを「ポケット型WiFi」もしくは「モバイルWiFi」もしくは「モバイルWiFiルーター」等といった表記を使用しています。
コメント